人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログトップ

ドイツと日本の話

ドイツ教育相の辞任

シャヴァーン教育相は30年前にデュッセルドルフ大学で
「人間と良心」というテーマで博士論文を書き、学位を取得しました。

その論文中に同大学が約100か所に及ぶ盗用と思われる個所を認め、
明らかな「論文盗用」と判断しました。

彼女自身はその事実をあくまで否定しており、
法律的手段を取って訴える覚悟だそうです。

しかし、まず「国」そして「(CDU)党」それから「自分自身」、
という政治家として順守すべき重要性の順序から考えて、
教育相という職務を辞任することにしたそうです。

教育相として彼女が果たしてきた多くの仕事は
実際に高く評価されるものだったので、
各方面から辞任を惜しむ声も多くありました。

しかし、学問の頂点に立ち、指導していくべき立場の政治家が、
「論文盗用」という判断を博士号を授与された大学
から受けてしまっては求心力を損うのはやむを得ません。

正しい決断だったと思います。

2年前のグッテンベルク防衛相のコピペスキャンダルに
ついてはこのブログでも紹介しました。


あのケースは博士論文を書いた時期が問題が明るみになった
数年前の話で、実際にコンピューターを使ってコピペがしやすく、
インターネットもすでに発展していた上での話でした。

でも今回シャヴァーン女史の場合は30年前ですからねぇ・・・

当時審査した大学も今回「盗用」と判断した個所を
そう簡単には認識できなかったと思います。

今回盗用の疑惑の発生は、
シャヴァーン女史の論文を調べた人が居て、
その人のブログだったのだそうです。

そう考えると、まだまだ他にそういう疑惑のケースが
出てくる可能性はありますね。

まあ、理科系の論文というのは何かを証明しないとならないので、
判断が明快ですが、文化系の論文というのは曖昧というか・・・
難しいものです。
by mamapanda_mimi | 2013-02-10 22:47 | 社会 | Trackback | Comments(0)