ドイツ映画 "Kirschblueten - Hanami”

ドリス・デリーというドイツでは有名な監督の作品です。

小津安二郎監督の「東京物語」にヒントを得た
日本が半分舞台の映画ということで、
興味津々で観に行ってきました。

ドイツ語ですが、トレーラーが下記のサイトで見られます:
http://www.kirschblueten-film.de/

ストーリーは撮影が行われた丸弥荘のサイトに日本語で
紹介されているので、それをご参照ください:
http://www.maruyaso.jp/eiga.html

この映画はいろいろと賞も取っていますし、
ドイツ在住の有名な日本人の方たちも絶賛しているので、
多分いい映画なのだと思います。

しかし!

私は好きになれませんでしたぁ。

これはだいたいが日本がテーマの映画ではないんです。
哲学的というか宗教的テーマが中心なのです。

60歳を過ぎた老夫婦が成人した子供たちを訪ねて違和感を感じる中、
夫の病気のことを気にかけていた妻の方が先に死んでしまう。

妻はどこに行ったのか? 
その問いを解きに夫が東京に住む息子を訪ねていく。

そこで見て、体験する「いろいろな事」、
これが日本の風俗だったり、日常だったり、富士山だったり・・・・
カメラワーク的にも見せ場となるわけです。

でも、日本でなくてはならない理由はどこにあったのかな?
エキゾチック、ということだけで日本が選ばれたのかな?

西欧人には珍しいシーン、たとえば火葬場で骨を拾うシーンなども登場し、
言わば、奇をてらった(?)シーンが盛り沢山。
それが理由で日本が利用されたとも解釈できる?

あれを見たドイツ人があれが日本の全てだ、とか
日本人はみんなああなんだ、と思ったらちょっと困惑。
など、いろいろ考えてしまいました。

むしろ前半のドイツでの撮影の部分は、俳優たちの演技もなかなかで
TVドラマ的にはよくできていたと思います。

でも、私は、ドイツのドラマは普通見ないようにしているし・・・。
チェロがバックに流れているような暗い感じのものが多いので。
この映画は、正にそれでした。

小津安二郎監督の映画「東京物語」は私も好きですよ。
でも、この映画は好きになれなかった。

ということで、私的には、
デリーは東京物語の再現には失敗したのではないかと・・・。

中に沖縄のてんさぐの歌に合わせた舞踊のシーンがあるのですが、
あの歌、小学校の時に習った歌で、懐かしく感じました。

同じ日本で撮影した映画でも「ロスト・イン・トランスレーション」という
ハリウッド映画がありましたが、あれは何度も見たくらい私の大好きな映画です。
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by mamapanda_mimi | 2008-10-22 06:49 | Trackback | Comments(12)
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Commented by Momoko at 2008-10-22 16:43 x
Hanamiは11月はじめの「ドイツ映画祭2008」(in Tokyo)で上映するので、チケットを買いました。なぜか最前列で(しくしく)…

ドリス・デリエ(デリエと読むのだそうな。本人曰く)は、日本通でしょっちゅう来日していますよね。以前にやはり「MON-ZEN」という映画があって、これはけっこう楽しめました。禅寺が舞台の作品です。

「ロスト・イン・トランスレーション」は、もう、最高! 大好きな映画です。
Commented by mamapanda_mimi at 2008-10-22 17:14
やはり前半の部分にこのデリエ(フランス語読みなんですね)映画の本来の醍醐味があった、という気がします。バイエルン地方の田舎から出てきて大都会ベルリンに住む多忙の子供たちを訪ねる、ドイツ語の方言の微妙な違いを理解できる人ならここがよくできた映画だと評価できる点だと思います。

だからこそなおさら、日本の部分がオマケというか視覚的なサービスで付いているような感じを私は受けました。日本人の私には、それがちょっと不満なわけです。

前半部分の設定は東京物語にヒントを受けたわけで、ドイツドラマとしては成功していますが、雰囲気がね、全然違うんですよね、当たり前ですけど・・・
東京物語には何も言わないシーンが延々と続いたりする映画で、そこが素晴らしいと私は思うのですが、ドイツではあり得ない、やはり動的な雰囲気に仕上がっています。
Commented by Momoko at 2008-10-24 11:23 x
「おくりびと」という納棺師を主人公にした邦画も見たのだけれど、この映画にも骨を拾うシーンとか、日本独特の、欧米の人なんかがひょっとすると「えっ」と引いてしまうような場面もいっぱい出てきます。
でも、死の儀式をつかさどる人(モッくんね)の所作が美しいし、どのような文化的背景の人が見ても、「死に対する畏敬の念」が伝わってくる描き方でした。

私も庄内地方には何回か行ったことがあるのですが、再訪したくなるほど、その風景もすばらしく撮られていました。

「奇をてらった」という印象を与えるかどうかの分かれ道は、それがどこか興味本位な印象を与えるか、あるいはリスペクトが感じられるかの違いでしょうね。

ともかく、近々Hanami などの最新ドイツ映画が見られるので楽しみです!
Commented by mamapanda_mimi at 2008-10-24 17:21
なるほど、深い観方ですね。

興味本位とは思いませんでしたが、また、桜や富士山も映像的にとても美しかったですが、欧米人にアッと言わせるために欲張ったな、という感じでした。

理屈はともかく・・・結局、見終わった後に暗い気持ちになったのが、この映画を好きになれなかった理由だと思います。普段理屈っぽい私ですが、感性の人間でもあるんですね、私(笑)。
Commented by ミンガ at 2010-03-16 18:38 x
遅れたコメントですが、この映画が大好きなので、私も一言述べたい!「外国人のニッポン」と勝手に決め付けて、無視していたのですが、知人のドイツ人夫婦(夫43歳と妻65歳)に、「良かったァ。とにかく見なさい!」と言われて、行きました。3度見て感動、でも4度見たらァ・・・・と、ちょっとね・・・と、引きました、クリスマスプレゼント用にDVDの販売。すぐ買って取っておくことにしました。なぜ3回も?孤児の女の子が踊るときの曲は、ナンダたっけ?と出かけるのですが「琉球」の歌で、私は歌詞はほとんど歌えます。それほど、昔、うたっていたのですね。
Commented by ミンガ at 2010-03-16 19:12 x
日本ヒイキの監督ゆえに、いつも自然な日本が撮れたと思います。この地のバイエルンの夫婦や子供との関係、日本に憧れていた妻の気持ちを知っていても、一般の男性(この年代)同様、夫は自分中心に生きている。女性も夫や子供達との生活中心に生きて自分の人生も2の次、夢を持っていてもかなわず、それでも大きな不満ではない。ある日予期せぬ妻の死によって、彼女が憧れた日本、結婚していなければ「日本へ行って舞踏の先生」の修行する夢を知って、夫は初めて妻を深く知る。気がついて始まる日本の世界の展開。
Commented by ミンガ at 2010-03-16 19:13 x
上野公園の桜は本当に素晴しく、かって地方から中卒の出稼ぎに来たおのぼりさん達の心の故郷でした(1960年代の政策)今でもここでの桜見にきている日本人は地方ぽかったです(ヨカッタァ♪)
Commented by ミンガ at 2010-03-16 19:14 x
一般日本人はホームレスを社会の弱者とか落ちこぼれとして、あまりにも関心ないが、社会福祉の発達したヒューマニストの思想ある北欧州では、日本の現実関心なし。生きている彼らは、ほとんど青のビニールテントの中で暮らしていて、それを写真集にしているアマ写真家の写真も見ました。一ドイツ人は「ホームレスになっても日本人の美的感覚と清潔感は素晴しい!こっちのホームレスは汚いよ」と悪口言うぐらい、実際は社会福祉が進んでいるドイツと日本ではホームレスの内容が違いますね。大阪のお堀沿いにいて、私も沢山ました。
Commented by ミンガ at 2010-03-16 19:14 x
映画の中で、ルデイが若い娘が親もなくホームレスと知って、シャワーをすすめたが、使用中に帰ってきた息子と父親の会話を聞いて、そっと出て行った彼女。靴の揃え方は日本人として育ったら一生変わりませんよね(爆笑)「彼女、金欲しいだけだ・・・日本にホームレスはいない!」と言い切る息子の姿は現代日本人の姿、それに反して父親は「お前はなんと心無い人間になったのだ」と出て行く場面がありますね。監督は日本批判をしていない、バイエルン出身の老夫婦をとうして、美しい日本の一般的絵と、互いに訛りアクセントの強い片言英語で話する異国の違和感が感じさせない。妻が見たかったクライマックスの富士山を、この娘の協力を得て、見に行くが富士山がすぐ顔を出さない・・
Commented by ミンガ at 2010-03-16 19:27 x
児童小説家ミヒャエル・エンデの墓も変わったものですが、その昔、ミュンヒェンのシーボルトの墓ではまったく日本の仏教徒の墓そのままです。ご存知ですか。
蝶々婦人のオペラも日本人が見ると(26歳だった息子も同様)違和感を感じる点が多いようです、日本の顔も時代もあるし、無数に多く、深い、それと年齢に依って「夫婦のきずな」の受け取り方が違う事、映画鑑賞者も年齢や体験の違いあって色々。
Commented by ミンガ at 2010-03-16 19:29 x
私はこの映画の主人公の年齢であり、成人した子供との関係も美化せず、両親への理解度も、映画の中の子供達ぐらい・・・に思っています。子供を育て上げても夫婦単位・一男性と一女性の人生、バイエルンの夫達の伝統的姿勢は一人で生きている意味も無く、ここでも先立った妻の霊が迎えに来て、映画の最後を結ぶ・・・
おしどり夫婦の妻が先立つ場合は、夫はその後半年~1年で妻のもとて行くと言う。国会通訳だった男性「昼間の時間体に車に乗せてくれた時の私の質問に「家に帰る」と応えず「妻の所へ行きます」彼の答は、伝統的な「夫婦のきずな」を表現していると思いました。 「嵐が丘」でも霊が迎えに来る、欧州でもよくあるお話ですが・・
ある意味では大人の映画と思います。(長すぎて、1度ではダメ、せっかく書いたので、すみません!全部数回に分けました、我ながら呆れました)
Commented by mamapanda_mimi at 2010-03-16 21:00
たくさんのコメントありがとうございます!
あまりの長さにさすがの私もビックリするやら嬉しいやら・・・です。

さて、この映画を見たのは約一年半前になるので、これについてあまり正しく語れない部分もありますが・・・

ま、今でもこの映画はドイツ人がドイツ人のために描いた映画だったと思っています。

また、モデルとなった東京物語とは全く異質な作品だという考えも変わっていません。